2014年4月3日木曜日

ベネズエラ大統領がNYTに寄稿し、平和呼び掛け

 ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領は4月2日、ニューヨークタイムズに「ベネスエラからの平和の呼び掛け」と題して寄稿し、米国民に「<制裁>はベネスエラの貧しい人々を苦しめるだけだ」と述べ、米議会に<制裁>しないよう訴えてほしいと呼び掛けた。

 ベネスエラ政府は、米国に<制裁>される理由はないとの立場だ。

 大統領は寄稿記事で、「ベネスエラの抗議行動の狙いは、民主的に選ばれた政府を倒すことだ。国際メディアの大部分は、ベネスエラの実情を意図的に歪めて伝えている」と指摘した。

 また、「米政府は、抗議行動は平和的だがベネスエラ政府が暴力で弾圧している、と言うが事実でない」とし、「米政府は、かつてベネスエラ人の99%を排除し、石油の富を独り占めにしていた、米企業を含む富裕な1%の側に立っている」と批判した。

 そのうえで、米国民に「真実を見極めて」<制裁>しないよう議会に働きかけるよう訴えた。

 米フロリダ州のリック・スコット知事は、州内の反カストロ派クーバ系右翼団体の言い分などを受けて、米議会にベネスエラ<制裁>発動を働きかけている。

 同クーバ系は、ベネスエラ政府を弱らせ政権交代を導けば、ベネスエラ原油がクーバに行かなくなり、クーバの社会主義体制が脆弱になる、との立場だ。

 一方、エクアドールのリカルド・パティーニョ外相は2日キトで、南米諸国連合(ウナスール)外相団が4月7、8両日、カラカスを訪問する、と発表した。同外相団は3月下旬、カラカスで政府・反政府派双方から意見を聴取し、国内和平への空気を醸成した。

 外相団の顔触れは明らかにされていないが、ブラジル、コロンビア、エクアドールの3国外相で構成される委員会が訪問する、との見方がある。