アイチのミシェル・マルテリ大統領は1月6日、大統領選挙決選投票を24日実施する、と発表した。当初、昨年12月27日実施される予定だったが、野党側が10月25日の第1回投票で政権党候補陣営が大規模な不正を行なったとしてボイコット、政府は決選を無期限延期としていた。
政治日程はマルテリの任期が切れる2月7日に新政権が発足することになっており、マルテリの後ろ盾である米政府は混乱が長引くのを懸念、国務省ラ米担当顧問トーマス・シャノンをポルトープランスに派遣し、決選の月内実施を働き掛けていた。
誰もが不正があったことを疑わない第1回投票では、政権党「テトカレ・アイチ党」(PHTK)のジョヴネル・モイスが得票率32・76%、野党「アイチ進歩・解放のための代替連盟」(LAPEH)のジュディ・セレスタンが同25・99%で、この2候補が決選に進出すると発表された。だが不正を糾弾するセレスタン候補および他の反政府諸野党は、決選ボイコットを表明した。
これに対し、アイチに多大な利権を持つ米仏加3国と伯西両国の大使および、欧州連合(EU)と米州諸国機構(OEA)の代表で構成される「中核グループ」は、アイチ政府と両候補らに決選日程決定と決選参加を促した。
前回大統領選挙でも大規模な不正があり、決選で勝ったとされたマルテリが政権に就いた。背後で米国の意思が強く働いていた。
24日には、同時に国会議員選挙の決選投票も実施される。焦点は、セレスタン候補が2週間余りの選挙戦を全うに戦う意志があるか否か、その安全が保障されるか、また白けきっている選挙民がどれだけ投票所に行くか、である。