2017年5月19日金曜日

 プーチン・ロシア大統領がベネズエラ問題解決への協力意志を表明。露外務省は、ベネズエラ反政府勢力寄りのメディアを厳しく批判。コレア・エクアドル大統領もブエノスアイレスで、反政府勢力側の暴力を糾弾。トランプ米大統領はコロンビア大統領と会談し、ベネズエラへの「人道支援の用意」を表明

 ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は5月18日、ウラジ-ミル・プーチン大統領と電話会談し、会談後、「ロシアは小麦を毎月6万トンずつ、長期に亘って供給してくれることになった」と明らかにした。その開始時期には触れなかった。大統領はまた、産油諸国が価格安定化のため原油生産を削減していることについても話し合ったとし、「近い将来、訪露したい」と語った。

 ロシア外務省報道官は、電話会談がベネスエラ側の申し入れによるものだったと明らかにし、「プーチン大統領は、ベネスエラ情勢の正常化を願っている。重要なのは、ベネスエラ国法の合法性の枠内で解決することだ」と表明した。

 報道官はまた、「ベネスエラ情勢は(米州)地域の平和と安全を脅かしてはいない」と前置きし、「ロシアは要請されれば、ベネスエラ問題の平和解決に参加する用意がある」と述べた。

 さらに、内外メディアのベネスエラ情勢報道が反政府勢力寄りに偏向している事実に触れ、「客観性が重要だ。紛争を煽ったり、自陣営の野心達成のために教唆するような報じ方をしてはならない」と強調した。

 エクアドールのラファエル・コレア大統領は17日ブエノスアイレスで、ガブリエラ・ミケッティ亜国副大統領と会談。マクリ亜国保守・右翼政権が明確にしている反マドゥーロ政権の立場は「尊重する」としながらも、「暴力の多くが反政府勢力側に起因している事実は証明されており、これは糾弾せねばならない」と指摘した。

 マウリシオ・マクリ大統領は来日中。コレアは記者団に、「国際社会とラ米は、ベネスエラを攻撃しながらブラジルに甘い二重基準だ」と批判した。これは合憲政権を昨年弾劾した汚職まみれのテメル現政権に正統性が欠けていることへの批判が乏しい事実を指摘したもの。

 制憲議会開設準備担当のエリーアス・ハウアVEN教育相は17日、「PJ(まず正義を)とVP(人民意志)の武装集団は犯罪組織と結託して暴動を決行しており、許し難い」と述べた。PJとVPは、反政府勢力指導部である保守・右翼野党連合MUDの極右政党。

 PJ党首でミランダ州知事のエンリケ・カプリレスは18日、パスポートを無効化され、出国を阻止された。カプリレスは大統領選挙にMUD候補として2度出馬し敗北・2度目の13年4月には、敗北を認めず暴動を起こした。だが、その後、「平和闘争路線」に変身した。

 ところがMUD内暴力肯定派の旗頭でVP党首のレオポルド・ロペス(暴動教唆罪で服役中)の人気が高まると、再び暴力路線に戻った。「マドゥーロ後」の大統領を決める選挙に、MUD候補として3度出馬するため、「弱腰」を見せるわけにいかないからだ。

 一方、ドナルド・トランプ米大統領は18日ホワイトハウスで、JMサントス・コロンビア大統領と会談。記者会見で、「ベネスエラの経済危機はかつて米州になかったことで、人類の恥だ」と述べ、「必要ならば、人道的見地から支援したい」と述べた。米国務省や米機関がベネスエラの反政府勢力を支援してる事実には触れなかった。

 また米財務省はこの日、ベネスエラ最高裁のマイケル・モレーノ長官以下8人の判事を、「ベネスエラ国会の権限を奪った」として「制裁対象者名簿に加える」と発表した。他国にも施政権が及ぶかのごとき米政府の「制裁」政策に、また新たに批判が起きている。