2013年6月22日土曜日

ブラジル大統領が公共サービス向上で協約結ぶと発表


 ブラジルのジルマ(ヂウマ)・ルセフ大統領は6月21日、全国向けラジオ・テレビ放送で演説し、公共サービス向上のため「一大協約を結ぶ」と表明、市長、州知事、政府各部門の長に協力を呼び掛けた。このサービスには輸送機関、教育、保健などが含まれる。

 この種の改革はこれまで国会で反対され、実現しなかった。大統領は全土が危機に陥っている逆境を、国会反対派懐柔の好機と捉えた。

 大統領は演説で、平和デモを民主的意思表示の手段として再び讃えたが、暴力行為には断固反対すると強調した。

 20日には全国80都市で合計100万人が動員され、今回の一連の抗議行動で最大規模となった。各地で建造物破戒や略奪が起きた。

同日、大学生一人がデモ隊に突っ込んできた車に轢かれて死亡、街の清掃担当職員一人も催涙ガスの吸い過ぎによる心臓機能停止で死亡した。

動員をかけてきた「自由通行運動」(MPL)は、極右ファシストがデモ隊に紛れ込んで、テロや破壊活動をしている、と非難した。

来月下旬にはリオデジャネイロで開かれる「世界青年週間」にローマ法王も出席する予定。だがリオは今回、サンパウロと並んで抗議行動と破壊行為が最も目立った都市であり、政府は急遽、同週間に備えて、治安対策を練り始めた。