「亜国史上最も影響を与えたフォルクローレ歌手」とされる故メルセデス・ソサの人生をたどるドキュメンタリー映画「メルセデス・ソサ-ラ米の声」が6月6日、ブエノスアイレスで封切られた。
息子ファビアーン・マトゥスが原案・製作、監督はロドリーゴ・ビラ。2010年に撮影が開始された。マトゥスがインタビュアーを務めている。チリの名歌手、故ビオレタ・パラの娘イサベル・パラも登場する。
メルセデスは1970年代前半、政府当局が組織した暗殺結社「亜国反共同盟」(AAA=トゥリプレ・ア)に脅迫され、欧州に亡命した。パリで、同国人のアタウアルパ・ユパンキやアストル・ピアソーラに会う。
マトゥスは封切りを前に、「母は、友情、愛、尊敬、子どもの権利などを重要な主題と考えていたが、亡命体験が母を政治的にした」と語った。
映画は、夫に捨てられ、孤独を紛らわすため酒浸りになったメルセデスも取り上げている。息子は「ありのままの姿を描くため」と語っている。