2013年8月15日木曜日

ボリビア大統領が法王と「解放の神学」論議へ


 ボリビアのエボ・モラレス大統領は8月14日、ローマ法王フランシスコに9月6日謁見すると発表した。会談の中心は、「解放の神学」の復活に置かれるという。

 「解放の神学」は、キリストは本来、貧しく弱い人民の側にあり、社会変革こそが教義に沿った正しい道、とする考え方。1960年代にペルーのグスタボ・グティエレス神父らによって唱えられ、ラ米中に拡がった。

 保守路線のヴァティカン(ローマ法王庁)は当時、この新しい潮流を厳しく批判したが、ラ米司教会議を2度開き、一定の反省をし、新たな教義確立を目指してきた。

 モラレスは、フランシスコ法王が7月ブラジルを訪問した際、ミサや訓話で貧者救済や社会正義実践に触れたことを評価し、謁見の際に「解放の神学」について話し合うことにしたと説明している。

 法王は青年神父だったころ、「解放の神学」には反対する立場だったと伝えられる。

 「解放の神学」は1959年元日のキューバ革命の影響を受け、提唱された。コロンビアのカミーロ・トーレス神父は、さらに一歩進んで「革命の神学」を実践し、チェ・ゲバラ路線のゲリラ「民族解放軍」(ELN)に参加し、国軍との戦闘中に死亡した。