ネルソン・マンデーラの国葬が一つの歴史的瞬間を生んだ。バラク・オバーマ米大統領と、ラウール・カストロ玖国家評議会議長が握手したのだ。
オバーマは12月10日、ヨハネスブルク郊外ソウェトのサッカー場で挙行された国葬のロビーで、各国首脳ら大勢の人々が見守る中、ラウールに直接歩み寄り、握手し、通訳を介し、幾つか言葉を交わした。その言葉は公表されてない。
かつて、フィデル前議長がクリントン元大統領と、ある首脳会議の場で「偶発的に」握手したことはあった。だが米大統領が自らの意思でクーバ議長に握手を求めたのは初めて。
反カストロ派の在米キューバ系社会やキューバ系議員らは、「受け入れがたい」と不快感を露わにしている。
一方には、「指導者とは、こうあるべきだという教育的姿勢」と「人間としての在り方」をオバーマは示した、という見方もある。
さらに、これが来年元日、革命勝利55周年となるクーバにとって、対米関係改善の契機になるとの、希望的観測もある。