2015年6月2日火曜日

エル・サルバドールのサンチェス大統領が施政1周年

 エル・サルバドールのサルバドール・サンチェス=セレーン大統領は6月1日、施政1周年に際し国会で施政報告演説をし、暴力問題が引き続き重要問題であり、この問題の解決は容易でない、と述べた。

 政府は昨年、「市民安全・共生理事会」(CSCC)を設立した。政府機関、市役所、市民社会組織、財界で構成され、国連、米州諸国機構(OEA)、欧州連合(EU)が支援してきた。

 サンチェスは、左翼政党ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)の本格政権。だが国会対策や対米関係上、穏健な社民主義政策をとっている。大統領は、野党との対話を通じて合意を形成する作風を維持していくと強調した。

 大統領は経済分野では、昨年2%成長したが、今年は2・5%になる見通しと明らかにした。インフレを減らしたことや、電力料金を32%引き下げたことも指摘した。

 貧困率は、FMLNが参加したフネス前政権発足時の09年に24・9%だったのが14年に20%に下がり、極貧率は10・5%から6・2%に落ちた、と明らかにした。

 貧困対策としては、国立開発銀行が貧困家庭に計4億5200万ドルを融資、女性起業家向けの「女性銀行融資計画」(バンカ・ムヘル)で1234人が融資を受けた、とも明らかにした。また中小・零細企業に政府が1億1500万ドルを融資したとも述べた。

 観光産業については、今年外国から200万人の来訪と13億ドルの収入が見込まれる、と語った。

 小学校教育では、児童8万4000人に計6500台の電脳で、電脳教育を施したと述べた。