2015年5月17日日曜日

旧チリ秘密警察長官の禁錮年数が400年に近づく

 チレの首都サンティアゴの高裁は5月15日、ピノチェー軍政期の秘密警察、国家情報局(DINA)の長官だったマヌエル・コントレラスら4人に禁錮5年の実刑を言い渡した。1976年2月24日に軍政反対派2人を殺害した罪で。

 コントレラスは14日にも、74年9月14日にアジェンデ社会主義政権時代に人民連合に参加していた「統一人民行動運動」(MAPU)の活動家で大学生のルイス・ドゥランを殺害した罪で、禁錮13年を言い渡された。既に終身刑に服しているコントレラスの累積禁錮年数は400年近い。

 ミチェル・バチェレー大統領は4月27日、ピノチェー軍政末期に制定された「ビノミナル(1会派1選挙区2候補擁立制度)制度」を廃止した新しい選挙法を施行した。同制度は2大政党のうちの少数党に有利に作用し、1990年3月の民政移管後、軍政の流れを組む右翼政党が有利になっていた。

 一方、5月14日バルパライソで行われた、政府の教育政策決定への学生参加拡大を求めるデモ行進のさなか、学生2人が右翼青年に射殺された。殺された学生は、共産党青年部に所属していた。

 16日には首都で、性的少数派が「平等のための行進」を実施、主催者発表で5万人が参加した。ここでは事件事故はなかった。