2015年5月21日木曜日

チリ法廷が故Eフレイ大統領毒殺事件の捜査再開決める

 チレのサンティアゴ高裁は5月19日、故エドゥアルド・フレイ元大統領の毒物による暗殺事件の真相解明のための再捜査開始を決めた。

 キリスト教民主党(DC)の中道保守派の政治家フレイは1960年代に大統領を務め、70年11月、人民連合のサルバドール・アジェンデに政権を渡した。社会主義政権を率いたアジェンデは73年9月11日、ピノチェーらによる軍事クーデターに遭い、自殺した。フレイは当初クーデターを支持していたが、退陣しないピノチェー軍政を批判するようになった。

 1980年1月22日、フレイは、ヘルニア手術のため入院していたサンティアゴ市内のサンタマリーア診療所で軍政の手の者によって毒殺された。

 法廷は昨年10月、事件の捜査を終え、11月、6人を起訴した。うち殺人罪3人、1人共犯、2人隠滅。

 フレイの娘カルメン・フレイ元上院議員らは、さらなる真相解明を求めて控訴していた。

 サンタマリーア診療所は、73年のクーデター直後、詩人パブロ・ネルーダが毒殺されたとされる場所としても悪名高い。