2015年5月21日木曜日

ガルシア=マルケスのドキュメンタリー映画「ガボ、真実の境界で」の試写会続く

 コロンビア人作家、故ガブリエル・ガルシア=マルケス(愛称ガボ)のジャーナリストと政治的活動の側面に焦点を当てたドキュメンタリー映画「ガボ、真実の境界で」(ジャスティン・ウェブスター監督=英人、90分)の試写会が欧米各都市で催されている。

 この映画は3月、カルタヘーナ映画祭に参加した。資料、関係者の証言などで構成されている。

 ガボが1950年代、エル・エスペクタドール通信人としてパリに滞在していたころの恋人だったスペイン人女優タチラ・キンターナ(86)も登場。「彼が後年あれほどまで世界的に成功するとはね! 貧しい鼠が宝籤で大当たりしたようなものね」と語っている。

 タチラとガボの友情は長く続き、1982年のノーベル文学賞受賞式にタチラも招かれ出席した。

 ビル・クリントン元米大統領は1994年、大量のクーバ人がマイアミに押し寄せた「筏難民」事件の後、フィデル・カストロ玖議長(当時)の密使として訪米したガボと会談した。クリントンは会談内容を明かしている。

 それによると、ガボは「フィデルは2点しか望んでいない。一つは経済封鎖を解除せよということ。保険と教育という革命の成果を誰にも壊させないために。もう一点は、麻薬取締政策を在米・玖系人に妨害させるなということ」と語った。

 クリントンは経済封鎖解除に賛意を示した。2期目の任期で実現させたい考えだったという。