ニカラグアで貧者の教育に尽くしたイエズス会司祭フェルナンド・カルデナル(82)が2月20日、入院していたマナグアの病院で死去した。詩人エルネスト・カルデナル(91)は実兄。
1952年に見習い僧となり、やがて「解放の神学」を支持、ソモサ長期独裁に反対を唱え、サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)を支援した。
1979年7月、独裁打倒の革命が勝利すると、駐米大使就任を求められて断り、識字運動を引き受けた。翌80年、「識字十字軍」運動を展開、60%近かった非識字率を一気に15%程度に引き下げた。
1984年、サンディニスタ政権の教育相になるや、当時のローマ法王ヨハネ=パウロ2世の命令で、兄エルネスト、ミゲル・デスコトらとともに僧職を追われた。
大衆教育運動「ニカラグア信仰と喜び」を指導。1996年、62歳でイエズス会復帰が認められた。
葬儀は、イエズス会系の中米大学(UCA)で執り行われる。80年代のサンディニスタ革命を代表する人物がまた一人去った。