2016年2月14日日曜日

ハイチ暫定大統領にJ・プリヴェール前上院議長が就任

 アイチ(ハイチ)国会は2月14日未明、暫定大統領選挙を実施、ジョスレム・プリヴェール(63)を選出。同日就任した。同氏は、レネー・プレヴァル元大統領に近い。前日まで上院議長だった。

 国会でのこの選挙には5人が出馬、第1回投票では下院で、野党「闘争人民機構」(OPC)のエドガー・ルブラン元上院議員が1位、上院ではプリヴェールが1位になった。このため両者の間で決選が実施され、両院でプリヴェールが1位になり当選した。

 暫定政権下で4月24日、昨年末以来実現していない大統領選挙決選が実施され、その当選者は5月14日、正式な大統領に就任する。

 ちょうど3ヶ月間の暫定政権だが、プリヴェールは「合意形成に努める」と述べ、全有権者に協力を求めた。

 昨年10月25日実施された大統領選挙では政権党による大規模な不正が発覚、2位に着け決選進出資格を得た野党候補ジュドゥ・セレスタンは決選を拒否した。このため与党候補ジョヴネル・モイズだけとなり、決選は2度に亘って延期された。

 国内は大混乱に陥り、米州諸国機構(OEA)や、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)などが仲介の労をとった。

 この国は1957~86年、デュヴァリエ父子2代の独裁の後、混乱が続いた。改革派のJBアリスティド大統領が2度にわたり追放された結果、混乱は収まらないまま今日に至る。

 アイチの事実上の宗主国・米国、旧宗主国フランス、影響力の大きカナダはアリスティドの改革政策を嫌い、2004年の2度目の追放の際、3国が主役を演じた。