NGOピースボートの東京・高田馬場本部で2月17日夜、定例勉強会があり、キューバと米国の関係について講師の私が語り、質疑応答した。
集まったのは今年8~11月、世界一周航海船への乗船を予定している若者や年配者たち。この第92回航海船は10月には、ニューヨーク-バハマーハバナの黄金航路を航行し寄港する。
玖米両国が昨夏、54年半ぶりに国交を再開したから米玖直行航路が可能になった。今、米国や欧州の豪華旅客船がクーバ寄港を組み込んだカリブ海周遊や通過航海を続々申請している。
PBは、玖米両国が対立していた時期からハバナ入港を何度も経験していて、クーバの受け入れ当局の評価は高い。PBはホノルルにも寄港しており、観光立州ハワイイ(ハワイ)から歓迎されている。
だがPBは、底辺の生活を余儀なくされている人々の多いハワイイ先住民族の文化や生き方を理解したり、交流したりする機会を常に探っている。この辺りが、並の観光船と異なる。
若者たちの多くは、東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、福岡などのPB拠点でアルバイトし、その労賃で船賃のかなりの部分を相殺して乗船する。PB乗船がゼミの単位になる大学もある。
私が若かったころには、PBのような自由で面白い航海船はなかった。今や世界の民主・進歩主義勢力や海洋沿岸諸国政府から注目されるまでになっているPBのある、現代の若者は幸運だ。
年配者は往時の若者として、失われた青春の一部分を取り戻そうとPBに乗る。一種の回春である。