ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は7月22日、テレビ番組に出演し、「野党勢力は1週間前、国際仲介者を通じて私に、選挙人登録をするため制憲議会(ANC)議員選挙を数週間送らせてほしいと言ってきた」と明らかにした。
マドゥーロ大統領は、「ANCに本気で参加すると公式に表明するならば、2~4週間ぐらい送らせてもいい、と回答した」と述べた。また、「我々は、このような形で野党勢力との対話を維持している」と付言した。
対米関係に触れて、「私はドナルド・トランプと良好な関係を持ちたい。手を差し伸べ話し合い、我々が21世紀に居ることを伝えたい」と語った。
大統領はさらに、「ベネスエラ革命は危機にある」と認めた。ANC候補のデルシー・ロドリゲス前外相は、「ANCによって権力が固まる」と述べ、ANC開設がボリバリアーナ革命体制立て直しの鍵であることを強調した。
ネストル・レベロール内相は22日、野党勢力が21日、最高裁判事11人と同補欠22人を一方的に任命したことに関し、「野党は対抗権力を作ろうとしており、これは紛れもないゴルペ(クーデター)の画策だ」と指摘し、警告した。
内相は、反政府活動分子による破壊活動に参加した若者ら456人を20日逮捕したことを明らかにした。4月初めから続く反政府勢力による街頭暴力などによる死者は22日までに100人に達したもよう。
反政府勢力の中核である保守・右翼野党連合MUDは22日、ANC選挙直前の反政府撹乱行動として26~27両日、全国で道路封鎖を決行する、と発表した。30日の投票日に向けて緊張が高まりつつある。
トランプ米政権は、ANC選挙が実施された場合、ベネスエラに強力な経済措置をとると警告しているが、ベネスエラ国営石油PDVSAへの石油代金の米ドル払いを禁止する措置も含まれる、との情報が流れている。
一方、ボリビアのエボ・モラレス大統領はラパスで22日、「ピノチェー派寡頭勢力代表のセバスティアン・ピニェーラにベネスエラをうんぬんする道徳的資格はない」と述べ、10月のチレ大統領選挙に保守・右翼陣営から出馬しようとしているピニェーラ前大統領を糾弾した。
ピニェーラは21日、亜国メンドサ市で開かれた南部共同市場(メルコスール)首脳会議について、「会議はベネスエラの民主を守るため強い態度を示すべきだ」と表明していた。モラレスは、「ベネスエラ人民はゴルペの陰謀を打ち破るだろう」とも述べた。