▼▽▼ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は6月5日国会に、「両洋間大運河建設」法案を提出した。カリブ海に河口をもつコスタ・リカ(CR)との国境河川サンフアン川とニカラグア湖を経て太平洋岸に達する長大な運河。
▽建設期間は10年で、総工費は最大300億ドル。49%は外資に頼る方針だが、既に日本、ベネズエラ、ブラジル、中国、韓国、ロシアなどが関心を示しているという。
▼オルテガは2月カラカスで開かれたALBA首脳会議で、運河建設への支援を要請していた。オルテガは国会で、第3水路建設中のパナマ運河との関係について、「競争せず相互補完する」と述べた。
▽早ければ運河は2019年に完成し、貨物が年間4億1600万トン(世界全体の3・9%)通過するという。2025年には5億3700万トン(同4・5%)になると推定している。
▼運河建設は、歴史に名を残したいオルテガの長年の夢の構想だった。
▽一方、コスタ・リカ政府は、サンフアン川が運河として使用されることに、特に環境保全の立場から神経をとがらせている。政府は、過去の国境条約に基づきニカラグアは運河建設計画をCRに事前に諮問する義務を負うと主張しており、6日文書でニカラグア政府に説明を求めた。
▼これに対し、ニカラグア政府の環境担当補佐官は7日、CRには運河建設を観察する権利はあるが、建設に注文をつける権利はないと一蹴した。これが公式回答か否かは不明。