2018年4月27日金曜日

 ベネズエラとパナマが関係正常化で合意▼ドミニカ共和国大統領が仲介▼背景に米国などによる反マドゥーロ工作

 ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領は4月26日、パナマとの関係が同日、正常化したと発表した。両国は4月5日、フアン=カルロス・バレーラ巴大統領が駐VEN大使召還を決定、駐巴VE大使に退去を促したことから関係が悪化していた。

 事の起こりはパナマが3月28日、米国、欧州、ラ米の反ベネズエラ陣営の対VEN攻勢策に同調、マドゥーロ大統領を含むVEN人55人との経済・金融取引を禁止する、と発表したこと。
 これに対しVEN はパナマ人22人と巴44社との経済取引を禁止した。これを受けて巴大統領が大使召還などを決定した。VENは4月6日、両国間の航空関係中断を決定。巴も10日、同じく航空関係を25日から90日間中止ることにした。

 だが双方にとり両国関係は重要で、ドミニカ共和国(RD)のダニーロ・メディーナ大統領に仲介の労を求めた。その結果、両国大統領が電話会談し、正常化が決まった。
 マドゥーロは、①大使相互帰任②27日から航空関係再開③両国外相の下で合同委員会を設置、両国間の諸問題の実態調査と解決法を探り、これを30日後に報告、の3点で合意した、と明らかにした。

 ベネズエラでは5月20日、大統領選挙が実施され、再選を目指すマドゥーロら5人が立候補している。米国の音頭取りで反マドゥーロ再選運動が展開されており、揺さぶり政策にパナマも加担していた。
 だが両国にとり経済関係は重要。パナマ運河のカリブ海側にあるコロン市の自由貿易地域の最重要使用国の一つがベネズエラだ。
 米政府は、パナマによる「対VEN一時的断交」を歓迎していたが、当てが外れた形になった。