チリがボリビア・ペルー連合軍を相手に戦って勝った1879~83年の「太平洋戦争」で戦死したチリ軍兵士11人のミイラが、このほどスイスで埋葬された。
スイスメディアの報道を受けてチリメディアが報じたところでは、スイスの個人収集家が11体を2011年まで保管していた。収集家は破壊しようとしたが、ジュネーブの民族学博物館が引き取り、管理していた。チリ政府は、ミイラ引き取りを拒否したという。
同市倫理委員会はミイラの扱いについて2年間検討してきた結果、破壊させず、かつ闇市場に回されるのを避けるため、市内の聖ジョージ墓地に11月7日埋葬した。
ミイラは保存状態が極めて良く、青と赤の色鮮やかな軍服をまとっていた。
チリの太平洋戦争研究者は、ミイラが国外に流出した理由、スイス人収集家に渡った理由を調査すべきだ、と訴えた。また、保存状態や軍服から、ミイラの身元を特定する作業も可能だったかもしれないと語っている。