2013年11月24日日曜日

在京ペルー大使館でキヌアのシンポジウムと料理実演会開かる


 南米アンデス山脈中央部一帯で「黄金の穀物」と呼ばれるキヌアは、先住民族らの貴重な栄養源となってきた。11月22日、在京ペルー大使館「マチュピチュの間」で、ボリビア、エクアドール、ペルー3国大使館共催の「キヌアシンポジウム」が開かれた。

 エラルド・エスカラ秘国大使は開会の挨拶で、キヌアの価値や、2013年が「国際キヌア年」であることなどを説明した。

 アニメーション「キヌアの起源」は面白かった。昔、ティティカカ湖畔の農民が、じゃがいもを毎夜盗まれるため、青年を夜警に出した。その夜、青年は美しい娘たちが楽しそうに語らっているのを見た。

 青年が「盗人発見」の合図の鐘を鳴らしたためみな逃げ出したが、青年は一人を捕え、出動した村人から彼女を匿い、一緒に暮らした。だがやがて、彼女は故郷の星に帰らねばならないと言い、鳥になって天空に去っていった。

 彼女のことが忘れられない青年は、山頂に登り、大コンドルに星に連れて行ってほしいと頼んだ。巨大なコンドルは青年を彼女の住む星に連れて行った。二人はその星で暮らし始めた。

 ところが今度は青年が両親に会いたくなったと言い、大コンドルを呼んだ。彼女は、これを持って行ってくださいと、穀物を渡した。青年はコンドルの背からアンデス山脈に穀物をばらまいた。これがキヌアとなった。

 シンポジウムでは、東京農大講師・日高憲三、日大准教授・磯辺勝孝、大阪市大教授・小西洋太郎の3人が講演した。10~15年前からキヌアの研究に取り組んできた数少ない日本人専門家だ。

 キヌアには、黄、紫、桃、白の4色がある。日本でも全国で有志農家が栽培している。将来有望な健康食品。白米とキヌアを一緒にたくとうまい。最大消費国は米国で、生産もしている。アンデス高地型、アンデス盆地・渓谷型、海岸型の3種類に大別される。海岸型はチリ南部海岸地方で栽培されている。。。

 次いで、大使夫人と大使館コック長がキヌア料理を実演し、試食会が催された。サラダ、スープ、キノト(リゾット)、白身魚の衣揚げ、鶏肉の衣揚げ、海老巻きが料理され、チチャ・モラーダ(紫玉蜀黍汁)とともに振舞われた。

 12月7日には、秘大使夫人のキヌア料理講習会が都内で開かれる。問い合わせは、秘国大使館:電話03-3409-7589。