2013年12月13日金曜日

メキシコが油田開発に内外民間資本導入へ


 メキシコ国会で12月12日、エネルギー法改正のための改憲が承認され、国営メキシコ石油公社(PEMEX=ペメックス)は、原油採掘など油田開発に内外の民間資本を導入できることになった。大統領の署名と官報掲載をもって発効する。

 メキシコは、ラサロ・カルデナス大統領が1938年、英米石油資本を国有化し、PEMEXを設立した。PEMEXは、メキシコ民族主義の象徴だった。その民族主義は75年目にしてほころびた。

 国会下院では12日、賛成した政権党PRI(制度的革命党)と前政権党PAN(国民行動党)の議員に、反対した民主革命党(PRD)議員らから「ベンデパトゥリア(売国奴)」の怒号が浴びせられた。

 今後、PEMEXは、資金の不正使用や横領などを抑えるため、収益を管理する「メキシコ石油財団」(FMP)を設置する。

 また経営理事会(15人)から、石油労組代表理事5人を排除し、政府と社外が各5人ずつ理事を出すこととなった。

 PEMEXの原油生産日量は、かつての300万バレル台から、現在の250万バレルに減っている。政府は、不効率を正し、生産を拡大するため民間資本が必要と判断した。

 PRDは12日、有権者200万人の署名を集め、2015年に今回の改憲の是非を問う国民投票を実施すると表明した。