2013年12月19日木曜日

パラグアイ国会がベネズエラのメルコスール加盟議定書を批准


 パラグアイ国会下院は12月18日、ベネスエラの南部共同市場(メルコスール)加盟を決めた同市場条約改定議定書を批准した。上院は批准済みであり、これによってメルコスール内でのパラグアイとベネスエラをめぐる問題は解決した。

 ベネスエラはチャベス前政権時代にメルコスール加盟を申請したが、ブラジル、アルヘンティーナ、ウルグアイは議定書を批准した。だが、保守・右翼議員の多いパラグアイの国会だけは「ボリバリアーナ革命」を掲げるチャベスを嫌って、批准を拒否していた。

 昨年6月、パラグアイ国会は、当時のフェルナンド・ルーゴ大統領の改革政策を潰すため同大統領を弾劾した。この「国会クーデター」事件を契機に、メルコスールはパラグアイの加盟資格を停止とした。

 そのうえでメルコスール3国は昨年7月31日、ベネスエラの加盟を承認した。ところがパラグアイは「火事場泥棒」と怒り、ベネスエラ加盟を認めなかった。

 しかし今年8月、パラグアイにコルテス新政権が発足し、歩み寄りを見せた。メルコスールは欧州連合(EU)と通商交渉に入るが、パラグアイはメルコスールと関係を正常化しないと交渉に参加できない。また海のない内陸国パラグアイは隣接する3国と、いつまでもイデオロギー抗争を続けるわけにはいかない。

 コルテスは直接ベネスエラ大統領マドゥーロと会談し、国会に批准を働きかけた。パラグアイ政界は、これで一皮むけた。

 だが批准賛成48、反対1、不参加31の数字が示すように、時流から外れた右翼頑迷派議員が依然多い。