米政府は7月30日、ベネスエラ政府高官たちの米入国を「人権蹂躙」を理由に許可しないことにした、と発表した。だが対象者の氏名や人数は公表していない。
今年2月以降、ベネスエラ各地で相次いだ、マドゥーロ政権打倒を狙った反政府街頭暴力事件で、「治安当局が弾圧などにより人権を蹂躙した」というのが理由。
だが、この一連の街頭暴力事件はベネスエラ内外の極右・保守勢力が米機関、内外マスメディアと連携して起こした「時間をかけて進行させるクーデター」の試みだった。治安部隊の「人権蹂躙」を一方的に主張するのは当たらない。
暴動事件続発中、ラ米の大勢と、南米全体は、マドゥーロ政権を支持していた。
今回の米政府決定は、カリブ海のオランダ領アルバが、米政府の要請で逮捕していたベネスエラ軍諜報局(DIM)のカルバハル元長官を27日釈放したのを受けて打ち出された。
元長官釈放は「米外交の敗北」と受け止められている。その腹いせと、マドゥーロ政権打倒工作の失敗への腹いせから、今回の決定に至ったと勘ぐっても、あながち間違いではないだろう。