ブラジルは、ベロオリゾンチでのW杯準決勝でドイツに1対7という歴史的大敗を喫し、悲嘆に暮れている。リオデジャネイロのコルコバード丘の巨大な救世主キリスト像が頭を抱える電脳写真がメディアに登場、ブラジル人の落胆の大きさを示した。
試合後、観衆は「屈辱」を口にした。「ブラジルは惨敗するのにふさわしかった。全くプレーしなかったからだ」という声もあった。
ヂウマ・ルセフ大統領も「とても悲しい」と言いつつも、「立ち上がり前進しよう」と全国に訴えた。
ブラジルはリオで1950年に開かれたW杯決勝戦でウルグアイに1対2で敗れ優勝を逃し、マラカナン競技場で暴動が起きた。
今回の敗北には、ある程度、予測させる要因があった。昨年6~7月、生活苦に抗議する中産下層による一大抗議デモが全国で起き、W杯工事への巨額の予算出費に抗議が集中した。
かつてサッカーはブラジル人にとって「宗教」だったが、もはやそうではない。祭りも楽しいが、日常生活の方が大切だと、強く意識するようになっている。
自国チームの惨敗に悲しむのは、当然のこと。優勝できれば、良いに決まっている。ゆっくりと悲しんで、明日立ち上がればいい。