メヒコのサパティスタ民族解放軍(EZLN)の顔だった「マルコス副司令」が5月25日に「マルコス副司令」であることを辞めてから3カ月経った。私は、彼が辞めた日はラパヌイ(パスクア島)にいた。事実を知ったのは、しばらくしてからだった。
1994年元日の蜂起から20年を経て、サパティスタの組織や集落の大方の指導者たちは混血から生粋の先住民に替わった。一時代を画した「マルコス」は自分の役目は終わったと見て、「ガレアーノ副司令」と呼び名を替えて第一線を退いた。ガレアーノは、暗殺されたサパティスタ同志の名前からとった。
退くに際して、「反逆し戦うのに指導者、大立者、救世主は要らない。少しばかりの羞恥、それなりの尊厳、十分な組織があればいい」と語った。
8月10日、「ガレアーノ副司令」は姿を現した。サパティスタ支配地域の中心レアリダーで、独立メディア記者たちとの会合に出たのだ。「資本主義の下で、商業メディアは真実を伝えないことによって金を稼いでいる」と商業メディアを扱き下ろし、「今後サパティスタは、独立メディアとしか会わない」と語った。
扱き下ろしの言葉は至言である。