2016年3月26日土曜日

ローリングストーンズが40万人前にハバナで演奏

 英国で1962年に生まれたロックバンド、ローリングストーンズは3月24日ハバナ入りし、25日夜(日本時間26日昼前後)、市内のスポーツ都市屋外ステージで40万人の観衆を前に演奏した。昨年の54年半ぶりの米玖国交再開とバラク・オバーマ大統領の今週初めのクーバ公式訪問を飾る催しだ。コンサートは無料。

★このバンド側は29日、野外ステージに70万人、場外に50万人、計120万人が演奏を聴いたと発表した。

 一方、ブルーノ・ロドリゲス玖外相は24日ハバナでガボンのエマニュエル・ウンゴンデー外相と会談。これに続き、閉鎖されていたハバナのガボン大使館が再開された。近く、ガボンのアリー・ボング大統領が訪玖する。

 クーバ人経済難民の流入が中米で深刻な問題になっているが、パナマ政府は23日、この問題を話し合うため4月、クーバ、中米諸国、エクアドール、コロンビアが副外相会議を開くと発表した。場所と日取りは未定。

 パナマには現在、米国行きを求める玖人難民1600人が滞在、政府は扱いに苦慮している。西の隣国コスタ・リカ(CR)のルイス・ソリース大統領が、玖人難民を今後受け入れないと言明しているからだ。

 CRとパナマは先ごろ、計約1万人の玖人難民をエル・サルバドール、グアテマラ、メヒコの協力を得て、陸路と空路で米国に輸送する一大作戦を完了させたばかり。

 背景には、米政府がクーバ人を優先的に移民として受け入れる1966年施行の「キューバ調整法」および95年の「乾いた足・湿った足」付帯法がある。米領に足を踏み入れれば自動的に移住が認められ、1年後には定住権も与えられる。人材を大量に流出させ玖革命体制を弱体化させるために取られた方策だ。

 だが米玖国交再開で、これらの法規が無意味になったとの判断が米国内で高まり、クーバ政府も廃棄を強く米政府に要求している。「調整法」は施行から40年の今年、廃止が審議される。

 アリゾナ州選出の共和党下議ポール・ゴサーは2月、「調整法」と付帯法の廃止法案を提出。3月にはフロリダ州の同党下議カルロス・クルベロと上議マルコ・ルビオが同様の措置を取った。

 フロリダ州のこの2人の議員はいずれもクーバ系右翼として知られるが、「1980年以降流入してきた玖難民の大多数は、(両議員らが求める)反カストロ派でなく経済難民にすぎない」というのが法案提出の理由だ。両議員は新たに「キューバ移民労働機会法」案を策定した。

 さらに3月23日には、テキサス州の共和党下議ブレイク・ファレンソールドと、民主党下議ヘンリー・クエヤールが廃止法案を提出した。同州は移民流入の盛んな州の一つだ。

 米沿岸警備隊は23日、海上で玖人58人を拘束、身柄をクーバに送還したと発表した。昨年10月1日からの今年度に玖人計2562人をフロリダ海峡で阻止したという。米植民地プエルト・リコも今年度、玖人143人を拘束した。
 
 米統計では、2014年9月末から15年10月初めの昨年度、玖人4万3000人が「調整法」庇護下で米国入りした。前年比77%増。出国者は若者や、米国に家族の居る者が多い。