2016年3月24日木曜日

ペルー選挙審議会がケイコ・フジモリ候補排除要請を却下

 ペルーの特別選挙審議会(JEE)リマ支部は3月24日、大統領候補ケイコ・フジモリが「集票のため金品を有権者に渡していた」との訴えを根拠がないとして却下した。4月10日の大統領選挙第1回投票まで2週間余り、ケイコ候補は危ういところでひ踏みとどまった。

 JEEが訴えを認めれば、出馬資格は剥奪される。既に有力候補だったフリオ・グスマン、セサル・アクーニャがJEEによって出馬を取り消されている。グスマンは自党内の予備選挙が選挙法に違反していたのが理由。アクーニャは現金を渡していた。

 選挙まで3週間だった20日公表された支持率調査によれば、ケイコ(人民勢力)31%、ペドロ=パブロ・クチンスキ(PKK、改革を目指すペルー人)15%、アルフレド・バルネチェア(人民行動党)およびベロニカ・メンドサ(拡大戦線)各12%、アラン・ガルシア(人民同盟)が上位5人。

 過半数得票者がなく6月5日の決選が実施される公算が大きく、ケイコの進出は堅いと見られている。その相手はPPK、バルネチェア、メンドサの3候補のうちの誰かになると予想されている。

 反フジモリ派はJEEに裁定に期待していたが、JEEが訴えを却下したため、決選で反フジモリ戦線を構築しようと全国的なケイコ攻撃運動を展開している。父親アルベルト・フジモリ元大統領の政権期(1990~2000)にあった政府による人道犯罪、公金横領などが盛んに持ち出され、攻撃に使われている。

 だが財界など保守勢力は、ケイコが基本的には新自由主義経済路線であるため、特にケイコに反対する動きは示していない。反ケイコ勢力は、ケイコが大統領になって、受刑中の父親を恩赦で釈放するのを警戒している。

 調査によると、決選でケイコは優勢だが、相手がPPKになった場合、負ける可能性があるという。PKKならば、反フジモリ=ケイコ票を吸収できるから、とされている。