ベネズエラのエリーアス・ハウーア外相は9月19日、大統領機のプエルト・リーコ領空飛行を米政府が禁止した、と公表した。ニコラース・マドゥーロ大統領は21~24日の中国公式訪問のため、20日未明カラカスを出発する予定。
外相は、「国家元首搭乗機の飛行を禁止するなどあり得ないことだ。米帝国主義の侵略行為だ。再考しなければ、対抗措置をとることもありうる。今は代替空路を探す」と述べた。
この後、大統領は記者会見し、「プエルト・リーコは米国の植民地だ」と前置きし、「米国はなぜ、このように神経質になるのか」と疑問を呈し、「安全なクバーナ(クーバ航空)機を使う。故チャベス大統領がALBA航空網をつくり、クバーナも入っている」と述べた。
大統領はまた、米政府が国連に行くベネズエラ政府当局者への査証発給で差別すれば、対抗措置を取る、と語った。
中国は新たに、ベネズスエラに50億ドルの借款を供与する。
一方、ボリビアのエボ・モラレス大統領はラパスで記者会見し、「米政府によるベネズエラ大統領搭乗機通過拒否に際し、米大統領を人道犯罪容疑で国際手配する準備に入る」と述べた。
エボはまた、この件でラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)に緊急会議開催を求める、と語った。さらに、ALBA諸国に駐米大使召還と国連総会出席拒否を働き掛ける、と明らかにした。
エボの専用機は7月初めロシアからの帰途、米国の要請を受けた欧州4カ国(仏伊西葡)から領空通過を拒否され、ヴィエンナ空港に緊急着陸している。