2013年9月5日木曜日

ラ米に代えて『エレンディラ』を楽しむ


 頭の中のラ米を一時的に一掃するため、ガブリエル・ガルシア=マルケス(GGM)の『エレンディラ』(ちくま文庫)を久々に再読した。7編の短編集だ。

 GGMは作品の中で、鳥のように空を飛び、魚のように深海を泳いでいる。これは「魔術的リアリズム」でなく、シュールレアリスムの世界だ。

 だがGGMの筆にかかると、物語の流れの中で、自然に笑って読み過ごすことができる。

 短い文庫だが、読み終えて、あまりにも自由な飛翔から地上に落とされて、ほっとした。

 たちまち、ラ米が私の脳裏を埋めた。