ボリビアのエボ・モラレス大統領は9月25日、国連総会で演説し、オバーマ米政権の人道犯罪を裁くため「国際人民法廷」を設置すべきだと語った。
人道犯罪の例としてイラクやリビアを爆撃したことを挙げ、狙いは石油奪取だった、我々の天然資源を奪うのが目的だ、と厳しく批判した。
殺人罪などで起訴されているゴンサロ・サンチェス元ボリビア大統領が米国に亡命していることを念頭に、米国はテロリスタ、犯罪者、腐敗者を匿っている、と指摘した。
ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領は、自分が乗るキューバ航空機が米植民地プエルト・リーコ上空飛行を拒否されたこと、ベネズエラ国連代表団の一員への査証発給が拒否されたことを、最近非難した。これを受けてモラレスは、「領空飛行を拒否し国連出席を保障せず、民主政権・同盟諸国・国連をスパイしながら平和や民主を語るとは何事か」と、米政府を非難した。
また「世界の主を名乗るな。国連決議を守らず、重要条約に加盟せず、間違っている」と、米国を糾弾した。
さらに、「テロとの戦い」は一方的軍事介入の格好の言い訳にされているが、テロは軍事費拡大や一方的介入では戦えない、社会政策、宗教的寛容、民主深化で対応すべきだ、と強調した。
モラレスは、米大使、麻薬捜査局(DEA)、米国際開発局(USAID)を追放したことに触れ、「これによりボリビアは民主的になった」と述べた。
オバーマが一期目の就任時に「戦争を終わらせるため選ばれた」と語ったことを指摘し、「今は正反対だ。ノーベル平和賞は戦争賞に成り下がった」と扱き下ろした。