キューバ外務省は9月2日、長文の声明を発表し、米政府のシリア軍事攻撃意思を「広汎な国際世論を無視するもの」として糾弾した。
声明は、主権国家の自決権を侵してはならず、軍事介入でさらなる流血を招いてはならないとし、内戦は当事者間の対話や外交努力を通じて収拾を図るべきだ、と訴えた。
また国連安保理に攻撃を抑え込むよう求めるとともに、全加盟国が参加できる国連総会も行動を起こすべきだと主張した。
シリア問題でキューバは、激しい口調で米国を非難するベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領の陰にすっかり隠れていた。対米関係改善を求めているからだが、ここに至って声明発表に踏み切ったのは、従来のキューバ外交との「整合性」を図る必要が生じたからだ。
ラウール・カストロ政権にとって対米関係は最優先課題の一つだが、対米批判の立場をここで打ち出しておく方が得策との判断もある。