スペインのアドルフォ・スアレス元首相(81)が3月23日、マドリーの病院で死去した。肺炎をこじらせたのだが、11年前からアルツハイマーを患っていた。
スアレスは、独裁者フランシスコ・フランコ死去の翌76年、カルロス・アリアス=ナバロ首相の辞任を受けて後任に任命された。政治と経済の改革を託され、77年に内戦後初の自由選挙を実施し当選、首相の座を維持、81年1月辞任した。
後任のレオポルド・カルボソレロ首相が就任する81年2月23日、フランコ独裁の流れを汲む極右のアントニオ・テヘーロ中佐率いる治安警備隊(グアルディア・シビル)が国会に乱入し、ゴルペ(クーデター)を起こした。
だが国王フアン=カルロス・デ・ボルボンの説得で、ゴルぺの陰謀は挫折し、民主体制が守られた。スアレスは、フランコ体制後の「民主体制を固めた人物」として評価されてきた。
政府は24~26日を国喪とし、31日に国葬を挙行する。