エル・サルバドール(ES)で3月9日、大統領選挙の決選投票が実施される。2月2日の第1回投票で得票上位2人が政権を懸けて争う。
候補は、政権党ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)の元司令官の一人サルバドール・サンチェス副大統領(69、左翼)と、野党・国民協和同盟(ARENA、右翼)のノルマン・キハーノ首都サンサルバドール市長(67)。
第1回の得票率はそれぞれ49%、39%だった。世論調査では、サンチェスが10~18ポイント上回って有利。
有権者は490万人。内外監視団2000人が全国の投票所に配置される。
争点は、貧困、対外債務、治安など。貧困率は、マウリシオ・フネス現大統領就任時の2009年40%だったが、13年には29~34%に落ちた。フネス政権の社会投資が奏功したためだが、公共債務は増えて145億ドル(GDPの55%)となった。また財政赤字は13年4・2%、14年は3・6%になるもよう。
問題は、前身に刺青をした青年暴力団マラスだ。殺人、強盗、強姦などを恣(ほしいまま)にする恐るべき存在だ。「マラ・サルバトゥルーチャ」(MS13)と、「バリオ18」に分かれて血みどろの抗争を続けてきた。
フネス政権の仲立ちで12年、<休戦>した。これにより殺人発生率が40%落ちたと、政府は言う。首都など都市部の危険地帯には兵士6500人が展開しているが、決選に際し、さらに5000人が治安出動する。
FMLNとARENAは内戦を戦った敵同士だった。和平後は選挙で闘ってきた。FMLN政権継続か、右翼政権復活か、結果はJST10日正午には判明する見込み。