米州ボリバリアーナ同盟(ALBA)は12月14日、創設10周年記念日に合わせて第13回首脳会議をハバナで開き、創設者のフィデル・カストロ前クーバ国家評議会議長と故ウーゴ・チャベスVEN大統領の功績を讃えた。
会議は43項目の宣言を採択して終了した。カリブ海のセントキッツネヴィス、グレナダ両国の加盟が認められた。これにより加盟国はクーバ、ベネスエラ、ボリビア、エクアドール、ニカラグアのラ米5カ国と、カリブ英連邦加盟6カ国の計11カ国となった。
これにより、ラ米・カリブ諸国共同体(CELAC、33カ国加盟)の3分の1がALBA加盟国となり、ALBAブロックの発言権は増す。
会議にはクーバ議長(ラウール・カストロ)、ベネスエラ、ボリビア、ニカラグアの大統領、エクアドール副大統領、英連邦6カ国首相が出席した。
宣言は、2015年に非同盟議長国となるベネスエラ祝福、ボリビアで15年開かれる「母なる大地のための世界社会運動」会議支援、ALBAとペトロカリーベ(カリブ石油連帯機構)による経済開発地域(ZED)設立促進を謳っている。
また、米支配下にあるプエルト・リーコの「ラ米性とカリブ性」確認と植民地状態脱出および独立の希求支持、ベネスエラに内政干渉している米国糾弾、米国によるクーバ経済封鎖糾弾、亜国によるマルビーナス諸島領有権奪回の主張支持なども盛り込まれた。
ALBAは2010年に域内決済単一制度(スクレ)を発効させたが、これにより貿易5657件(総額25億ドル)が米ドルなど外貨を介在させずに決済された。
会議では、ベネスエラが提唱している、ALBA、ペトロカリーベ、南部共同市場(メルコスール)による経済圏結成についても話し合われた。国際原油価格は1バレル=60ドルと低迷しているが、これは議題としては取り上げられなかった。
一方、ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は、同国のテレベン放送ニュース番組にハバナからビデオ参加し、野党勢力に対し新たな対話を呼び掛けた。だが、野党連合MUDに最高指導者がいないことや、MUDに「国益を第一とする意志が欠けていること」を指摘した。