2014年12月25日木曜日

アルゼンチン陸軍司令官に新たな容疑加わる

 アルヘンティーナ北部のトゥクマン州検察は12月24日、陸軍総司令官セサル・ミラーニ将軍を不正蓄財容疑などで取り調べるよう、法廷に要請した。

 ミラーニは、1976年3月クーデターで登場したビデーラ軍政下の同年6月、トゥクマン州内の基地に配属されていた徴兵新兵アルベルト・レドの強制失踪事件に関与した容疑で既に調査されている。

 同年7月初め、レドの母親が誕生日祝いに基地を訪ねたところ、息子が前月「行方不明」なっていたことを告げられた。母親は裁判所や人権団体に訴え、息子の捜索を始めた。

 陸軍は同7月末になって捜索を始めたが、レドは「作戦中の脱走」と発表された。当時、同基地に勤務していたミラーニは、レド失踪に関与した大尉と当時連絡を取り合っていた。

 将軍の疑惑は総司令官任命前に明らかになっていたが、クリスティーナ・フェルナンデス・デ・キルチネル大統領は批判を押し切って任命した。このため、大統領の責任論も浮上している。

 ビデーラに始まる1976~83年の軍政時代に、亜国で3万2000人が殺害された。レドはその一人だ。