パナマのイサベル・サンマロ外相は12月13日、来年4月パナマで開かれる第7回米州首脳会議にクーバのラウール・カストロ国家評議会議長(国家元首)が出席すると明らかにした。
この首脳会議は、米州諸国機構(OEA)加盟34カ国の会合だが、1962年に米国の圧力でOEAを追放されたクーバはこれまで参加する機会はなかった。あったとしても、OEAを「米国のラ米支配の道具」と見なしているクーバに出席する意図はなかった。
ところが昨年12月、ネルソン・マンデーラ南ア元大統領の葬儀の場でバラク・オバーマ米大統領がラウール議長に歩み寄って握手したことや、パナマに進歩的なフアンカルロス・バレーラ大統領が7月1日就任したことで状況は変化し、バレーラ政権は「米州の冷戦を打破するため」クーバ議長に招待状を送っていた。
一方、クーバ文化省は13日、米国際開発局(USAID)が在米クーバ系音楽家らを使ってクーバ不安定化工作をしようと企図していたことを糾弾した。米AP通信が11日、工作が存在していたことを暴露した。
それによると、USAIDは興行会社を介在させ2008~12年、フロリダ州タンパ市に住むクーバ系ラッパー、アルド・ロドリゲスが率いる「ロス・アルデアーノス」などと契約したが、これにはクーバ不安定化の意図が隠されていた。
アルドは、クーバ社会主義政権を厳しく批判してきた。だが、不安定化工作に加担する意志はない。
USAIDは過去に、クーバにトゥッターのような「スンスネオ」を設置したり、ラ米諸国の青年たちをクーバに送り込んだりして不安定化工作を図ろうとして失敗していた。
同機関は、コロンビア人歌手フアネス、クーバ人歌手シルビオ・ロドリゲスらにも触手を伸ばしていた、と伝えられる。