2014年12月12日金曜日

米議会がベネスエラ当局者「制裁」を決めるも、同国は一蹴

 米国議会(上院12月8日、下院10日)は、「人権蹂躙に関与したベネスエラ政府当局者たち」への査証発給を禁止し、その在米資産を凍結するという「制裁」法案を可決した。バラク・オバーマ大統領が署名すれば発効する。

 ベネスエラは、「制裁」を受けるいわれはないとの立場だ。ニコラース・マドゥーロ大統領は11日、
「米国は圧力をかける術がない。どんな圧力をかけてきても、殺人犯を獄中から解放することはない」と一蹴した。

 またベネスエラが盟主を務める「米州ボリバリアーナ同盟」(ALBA)は11日、「米議会決定は内政干渉だ」と、米国を糾弾する声明を発表した。

 米国が「人権蹂躙」と形容しているのは、ことし2~5月、野党、右翼勢力、学生らが、米国やコロンビアの右翼勢力、内外メディアの支援を得て、ベネスエラ国内の野党市長のいる都市を中心に反政府街頭暴力事件を展開した際、当局が厳しく取り締まったことを指している。

 ベネスエラ政府は、「治安維持上、当然のことをしたまで」という立場だ。

 マドゥーロ大統領が言う「殺人犯」とは、死傷者多数が出た街頭暴力事件を、その初期の段階で教唆したとして起訴され裁判にかけられている、野党「武闘派」指導者格のレオポルド・ロペス被告らを指す。