2015年9月22日火曜日

ボリビアが国際司法裁判断に備え「海岸領土回復旗」掲揚へ

 オランダのハーグにある国際司法裁判所は9月24日、ボリビア政府が求めてきた太平洋岸領土回復の訴えを審理するか否かの判断を下す。ボリビアは1879年の太平洋戦争でチレに敗れ、現在のチレ・アントファガスタ州一帯を奪われ、海岸線を失った。

 同州の面積は12万km2、海岸線は400kmに及ぶ。かつては錫、現在は銅の一大産地だ。内陸国になったボリビアは以来、「海への出口」回復を悲願としてきた。

 エボ・モラレス大統領は21日、「海岸領土回復旗」を24日、全官庁および関連機関に掲げるよう命じた。この旗は地が海を意味する濃紺で、左肩にボリビア国旗と、虹色のウィパラ(先住民族旗)が並び、その周囲を国内9州を指す9個の金色の星が並ぶ。そして紺地の中央に、ひときわ大きな金色の星が一つ。これは未来の海岸領土を示す。

 一方、ぼリビアの訴えを受けて立ったチレのミチェル・バチェレー大統領は21日、上下両院議長、外相らと24日の国際司法裁判断に備えて協議した。

 国際司法裁は近年、ラ米ではニカラグア・コロンビア領海問題、ペルー・チレ領海線画定問題などで裁定を下してきた。