2018年5月25日金曜日

 ニカラグア「国民対話」が議題巡り中断▼反政府側は「自由選挙早期実施」を主張▼オルテガ政権は「政権交代意図したクーデター」と指摘、対話は座礁▼アラブ連盟がグアテマラと関係断つ

 ニカラグアの「国民対話」は5月16日始まったが、1週間後の23日、暗礁に乗り上げた。オルテガ政権と反政府勢力との仲介役の司教会議(CEN)は同日、双方3人ずつ、計6人の「合同委員会」を設置、対話再開に向けて協議するよう求めた。

 対話が途切れたのは、議事進行でもめたため。政府首席代表デニス・モンカーダ外相は、全国各地の自動車道に障害物を置いて通行を遮断している違法行為を止めるよう要求。これに対し、反政府側の「正義と民主のための市民同盟」は、優先すべきは民主的改革を話し合うことだと主張した。

 その改革の柱は、欧米を含む国際監視団を受け入れ、自由選挙を早期実施すること。正副大統領、国会議員、市長、市会議員などすべての選挙をやり直すというものだ。それに伴う改憲と選挙法の修正も要求している。狙いはオルテガ体制切り崩しに他ならない。

 政府側のモンカーダ代表は、「政権交代を意図した一種のクーデター方式ではないか」と指摘、断固応じない構えを示した。
 ダニエル・オルテガ大統領は2016年11月の選挙で連続3選を果たし、17年1月から22年1月まで5年間の3期目任期中。3年半も任期が残っており、反政府側の要求を容れて退陣するなど考えられない。

 司教会議仲介の下で合同委員会が事態打開に行き詰まれば、大学生や市民による抗議行動が再燃するのは目に見えている。施政連続12年目にあるオルテガ政権が重大な危機に直面したのは初めてだ。

▼アラブ連盟がグアテマラと関係断つ

 アラブ連盟は5月23日、在イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移したグアテマラとの協力関係を断ち切ったと発表した。
 同国に続いて大使館をエルサレムに移したパラグアイとの関係については触れていない。