2018年5月25日金曜日

 マドゥーロ・ベネズエラ大統領が次期任期に向け宣誓▼政策修正と指導部変革を公約▼政治暴力服役囚の一部釈放を示唆▼「国軍分裂画策とクーデター策謀で逮捕」と明かす▼グアテマラ元軍人に重刑判決▼メキシコでまたジャーナリスト殺し▼ウルグアイ労連が大会★「週刊金曜日」がキューバ新政権関連記事掲載

 ベネズエラ大統領に5月20日再選されたニコラース・マドゥーロ大統領(55)は24日、国会議事堂内での制憲議会(ANC)本会議で挙行された次期大統領(2019~25年)確定宣誓式に臨み、デルシー・ロドリゲスANC議長の前で宣誓した。

 大統領は宣誓演説で、①対話・平和・和解②企業との生産的経済合意③腐敗一掃④庇護・社会保障制度充実⑤内外の陰謀に対する自衛強化ーを優先政策として列挙した。
 マドゥーロは、「これまで必ずしも良いことばかりしたわけではない」と前置きして、「修正と指導部の変革を図る」と表明した。

   原油を増産し、外部からの「制裁」を打破するとも述べた。その際、マヌエル・ケベード石油相に、OPEC、中露両国、アラブ諸国に協力を依頼するよう命じた。

 また、政治的暴力事件を起こし服役している者たちのうち、殺人など重罪に関与していない者を釈放する方針を示し、ANCの真実委員会に該当する囚人の特定調査を求めた。
 さらに、「ボリーバル主義的社会主義」の5原則・基盤を拡大するとして、①倫理・道徳・精神②政治・イデオロギー・制度③社会④経済⑤地方ーの問題に取り組むことを強調した。

 大統領は宣誓式の後、市内の国防省、国軍司令部、士官学校などのあるティウーナ要塞での国軍忠誠表明式に出席。「コロンビアと米国の資金でクーデターを画策した者を逮捕した」と明らかにした。大統領は逮捕者の人数を示さなかった。
 「20日の選挙前に暴力を煽り、国軍(FANB)分裂を促そうとする策謀があった」とも述べ、国軍高官たちに署名し忠誠を求めた。

 大統領選挙を挟んだ国軍を標的とした陰謀は、このほど暴露された米南方軍司令官作成のマドゥーロ政権打倒計画に酷似している

 政府は22日、カラカス駐在の米臨時代理大使と次席の参事官を国外退去処分としたが、理由は「国軍分裂画策の陰謀」だった。政府は、同次席をCIAのカラカス支局長と見なしていた。
 一方、ワシントン滞在中のホルヘ・ボルヘス元VEN国会議長は24日、ラジオインタビューで、「先週、国軍将校200人が逮捕された」と述べた。

▼グアテマラで退役軍人4人に重刑判決

 内戦中の1981年6月、当時14歳だったマルコ=アントニオ・モリ―ナ=テイセン少年を強制失踪させ、その姉エンマ=グアダルーペを拷問・強姦した、二つの人道犯罪で、法廷は5月23日、ベネディクト・ルカス元陸軍参謀長ら退役軍人4人に実刑判決を下した。

 姉への仕打ちに対し禁錮33年、強制失踪は25年で、ルカスら3人に計58年、1人に33年の判決だった。

▼メキシコでまたジャーナリスト殺害

 北部のモンテレイ市で5月24日、アリシア・ディアス=ゴンサレス記者(52)が自宅で撲殺された。首都メキシコ市のエル・フィナンシエロ紙の通信員だった。

 メキシコでのジャーナリスト殺害は今年5人目。ペニャ=ニエト現政権下で43人目。ジャーナリストへの迫害は2000件に達している。

▼ウルグアイで労連大会開催

 ウルグアイの「労働者単一中央同盟」(PIT-CNT)は5月24日、第13回大会を開催、フェルナンド・ペレイラ議長は、ルーラ元ブラジル大統領への連帯を表明。「ルーラは迫害されと、罪なくして投獄されている」と指摘した。

 大会テーマは「世界労働界の新しい現実と労組の役割」。伯玖墨ニカラグア西葡などの労連代表も参加している。最終日の26日、声明を発表する。

★お知らせ:本日発行の「週刊金曜日」が拙稿「米国の<新冷戦>攻勢に対峙するディアスカネル新政権 <カストロ後>迎えた社会主義キューバ」を掲載しています。ご参考まで。