2018年5月26日土曜日

 メキシコ次期大統領最有力候補アムロが学生43人失踪事件解明を公約▼ベネズエラ大統領が米上院外交委員長と会談▼バルバドスで初の女性首相誕生へ▼BLPのミア・モトゥリー党首

 メキシコ大統領選挙(7月1日投票)の最有力候補アンドレス=マヌエル・ロペス=オブラドール(AMLO=アムロ)は5月25日、遊説中にゲレロ州イグアラ市で、強制失踪させられた学生43人の家族代表と会い、政権に就いたら事件解決に尽くすと公約した。

 43人はゲレロ州都チルパンシンゴ近郊にあるアヨツィナパ農村教員養成学校生。3年8カ月前の2014年9月26~27日、イグアラ市で事件に遭った。事件には地元警察と麻薬組織が関与。さらに大統領管轄下にある陸軍と連邦警察の関与も明るみに出ているが、大統領責任追及を恐れる政府が動かないため半ば迷宮入りしている。

 AMLOは、大統領になったら、事件の「真実究明委員会」を設置すると約束。同委の中心は、米州諸国機構(OEA)の米州人権委員会(CIDH)と国連人権高等弁務官事務所が占めることになるという。

 アムロはまた、ペニャ=ニエト現政権とカルデロン前政権は、治安戦略を誤り、軍隊を治安出動させたと指摘した。軍隊投入で「麻薬戦争」は悪化、23万人が殺された。

 AMLO「次期政権」の公安相候補と目されるアルフォンソ・ドゥラソは既に、「真実委員会」設置の準備を進めているという。

▼ベネズエラ大統領が米上院外交委員長と会談

 ニコラース・マドゥーロ大統領は5月25日、来訪した米上院外交委員長ボブ・コーカー議員を政庁に迎え、外交関係修復をめぐって会談した。両国はこのほど、臨時代理大使ら外交官各2人を相互に国外退去処分にしている。

 大統領は同日、ラ米開発銀行(CAF)のルイス・カランサ総裁と会談した。CAFは1970年、ベネズエラ政権の主導で設立され、LAC(ラ米・カリブ)19カ国と西葡両国および域内市銀13行が参加。本店はカラカスにある。

 ベネズエラは1970年、同国原油生産の最高記録、日量378万バレルを記録していた。2003年は320万b、現在は150万bに落ちている。

▼バルバドスで初の女性首相誕生へ

 カリブ英連邦のバルバドスで5月24日総選挙が実施され、野党バルバドス労働党(BLP)が下院30議席を独占、完勝した。その結果、BLPのミア・モトゥリー党首(52)が首相に就任することになった。任期は4年。

 英国から1966年に独立して以来8人目の首相だが、初の女性首相となる。民主労働党(DLP)政権のF・スチュアート首相は完敗を認めた。

 モトゥリーは弁護士。91年上院議員となって政界入り。BLP政権で94年教育・青年・文化相、2001年内相兼検事総長、03年第2副首相を歴任。DLP政権になった08年から2年間、BLP党首。13年に党首復帰。

 これまでDLP政権は下院で16議席を握り過半数ぎりぎりだった。新政権は下院で野党を持たないことになり、どのような施政になるか関心を集めている。

 カリブ英連邦諸国は12カ国。その中のベリーズ(旧英領ホンジュラス)は中米にある。またバハマはキューバ北東の大西洋にあり、南米北部のガイアナ(旧英領ギアナ)は大西洋に面している。

 12カ国は南米北部のスリナム(旧蘭領ギアナ)、キューバ、ハイチ、ラ・ドミニカ―ナ(ドミニカ共和国)とともに「カリブ圏」を構成する。