2014年1月16日木曜日

東電放射能事故で原発計画破棄した故チャベス大統領


 ベネスエラは確定原油埋蔵量世界一の産油国だ。だが、故ウーゴ・チャベス大統領は、化石燃料は必ず枯渇すると信じ、原子力発電導入を決め、ロシアの協力を仰ぎつつあった。

 だが2011年3月、東電原発放射能漏れ重大事故が起きるや、原発計画を打ち切った。ドイツのメルケル政権も世論を受け入れて、原発廃止の方向に舵を切った。

 ところが肝心の日本は、原発事故などなかったかのように、原発継続主義の自民党が選挙で圧勝した。国際世論は、日本人の政治意識と良心を大いに疑った。

 細川・小泉組が原発反対の旗印を掲げて都知事選に打って出ること自体は正しい。国政の大きな欠陥を補うためだ。首都には、その義務が十分にある。

 かつて「人民戦線」があった。共産党が左翼・革新・進歩主義諸勢力と連合し、ファシズムと戦った。いま「美しい国」という子供だましのような謳い文句のファシズムが始まりつつある。

15年戦争時の日本軍の侵略を認めない首相と、都知事選候補の一人である元自衛官がいる。自民党は、この元自衛官を公認するのがイデオロギー上は筋だろう。だが、自民党と喧嘩別れした元党員への支持を決めている。

 共産党は、宇都宮という全うな人物を再び候補に据えた。原発廃止派だ。細川と宇都宮は政策について話し合ってはどうか。つまり、現代の「人民戦線」を組むため歩み寄るのだ。これは、反原発派が勝たねばならない関ヶ原の決選だ。党勢確認のための選挙ではない。

共産党の現時点での存在価値は、分水嶺をどちら側に下るかという重大な別れ目の選挙の公示前に、多数派工作と政策連合のために歩み寄ることだろう。

 期待する都民、日本人は少なくない。反原発派が勝てば、ファシズムに歯止めをかける効果をもたらすはすだからだ。

 まだ「正月=1月」だ。そんな初夢があってもいい。