ボリビアのラパスで8月25日から開かれていた第20回フォロ・デ・サンパウロ(FSP)は29日、最終宣言を採択し閉会した。今会議は「大なる祖国のための議題:貧困と帝国主義の逆襲を打ち負かし、我らのアメリカでビビール・ビエン(良く生きること)、開発、統合を実現する」を標語に開かれ、LAC(ラ米ラカリブ)域内から180の進歩主義政党・団体の代表団が出席した。
宣言は、「資本主義と帝国主義による不安定化工作に対抗しつつ、CELAC、ウナスール、アルバなど域内機構の強化を通じてLAC統合を促進する」と謳っている。米国は(チャベスらに05年潰されたALCAでなく今や)太平洋同盟(AP)諸国を通じてLACを乗っ取ろうと謀っている、と指摘した。
宣言はまた、米支配下にあるプエルト・リーコ(PR)の独立支持と、米獄中に33年間拘禁されてきたPR独立運動指導者オスカル・ロペスの即時解放を訴えた。
さらに、仏領のマルティニク島、グアダループ島、ギアナ、および蘭領のアルバ、ボナイレ、クラサオの民族自決支持を謳った。英植民地マルビーナス諸島の領有権奪回を唱えるアルヘンティーナを支持している。
チレに対し太平洋岸領土の回復を求めてきたボリビアを支持し、両国がこの問題を平和裏に解決することを求めた。ボリビアが国際社会に訴えている伝統文化としてのコカ葉栽培も支持した。
今年10月実施されるブラジル、ボリビア、ウルグアイの大統領選挙に出馬するヂウマ・ルセフ大統領、エボ・モラレス大統領、タバレー・バスケス前大統領を支持することも謳った。
ラ米に進歩主義政党が政権党になっている国が増えていることについて、「ラ米は変化の時代でなく、時代の変化を生きている」との認識を示した。
このほか、米国によるクーバ経済封鎖解除、ベネスエラ政権打倒を狙う陰謀糾弾、米石油企業シェヴロンと闘っているエクアドール政府支持を謳った。
域外では、イスラエルによるパレスティーナ攻撃を糾弾した。米国によるイラクとリビアへの攻撃も糾弾した。これらの攻撃がシリアへの外部外勢力の侵略を招いた、と指摘している。
今会議は最初の3日間は、資本主義危機に関する政治意識、進歩主義政権の在り方、若者、女性、アフリカ系市民に関する分科会が開かれた。
全体会議は28日始まり、ボリビアのアルバロ・ガルシア副大統領が演説して、「ラ米で今日、新自由主義を語るのは擬古主義を語るに等しい。新自由主義は15年前には聖書だったが、我々はそれをごみ箱に捨てた。二度と取り出されることはない」と強調した。また、「革命過程深化で最初に得たのは、革命手段としての民主主義だった。今や民主は革命文化になっている」と述べた。
閉会式では、ダビー・チョケウアンカ外相が演説した。次回FSPは、AP加盟国で米国に隣接するメヒコで開かれる。