ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は1月17日、2週間に亘る外遊を終えてカラカスに帰着した。政権党・ベネスエラ統一社会党(PSUV)は空港からカラカス中心街の大統領政庁(ミラフローレス宮)に至る要所要所に支持者を動員し、帰国歓迎ムードを煽っている。
大統領は4日出発し、モスクワ空港でロシア副外相と会談してから、北京を訪れ首脳会談に臨んだ。さらに第1回中国・CELAC閣僚級会議に出席した。次いでイラン、サウディアラビア、カタール、アルジェリア、ロシアを歴訪し、それぞれ首脳会談をこなした。
帰途リスボアに立ち寄り、ポルトガル副首相と会談した。マドゥーロは中国、カタール、ロシアから巨額の援助融資を受けることが決まったと明らかにしているが、具体的説明はなされていない。
今回の外遊は、原油価格低迷に対処するためOPECおよび非OPECの産油諸国の賛同を得るためだったが、この点はあまり思わしくなかったようだ。ベネスエラ原油は16日、1b=39米ドル台に落ちた。2008年以来の最安値だ。
大統領は20日国会で施政報告演説をする際、今外遊についても報告することになっている。ベネスエラは極めて厳しい経済危機に陥っており、大統領が効果的な政策を打ち出せるか否かに国中の関心が集まっている。