クーバ外務省外国報道局(CPI)は1月9日早朝、内外記者団との会見を同日開くことはない、と述べた。これは8日「フィデル・カストロ前議長死亡説」が流れ、前議長に関する記者会見が9日開かれるとの情報が内外を駆け巡っていたのを否定したもの。
88歳の前議長は、革命勝利後にハバナに入城した56周記念日の8日姿を現さず、コラムも書かなかった。1年前のこの日フィデルはハバナ市内で公衆の面前に姿を現したが、その後はベネスエラ大統領ら外国要人を自邸に迎える姿が写真で時折伝えられるだけだった。
コラムは昨年10月を最後に書かれていない。12月17日の対米関係正常化合意、その日帰還した3人の受刑囚の歓迎行事に際しても前議長の発言はなかった。このため容体が気遣われていた。
今回の「死亡説」の出所もマイアミのクーバ系社会だった。結果的に今回も、前議長の生死を確認するための観測気球(打診気球)だったようだ。
CPIは記者会見を開くときは通常、メディアの本社や支局に電子メイルで通知する。今回それがなかった。