ベネスエラのニコラース・マドゥーロ大統領は1月21日、国会で施政報告・方針演説を行ない、国際原油価格が低迷し外貨収入が落ち込んでいる今、ガソリン価格を引き上げるべきだ、と述べた。
大統領は昨年7月、政権党ベネスエラ統一社会党(PSUV)の第3回大会時に、年間125億ドルないし150億ドルの補助金で維持されている格安のガソリン代を値上げする必要性を表明、その後、政権党支持層の労組を中心に値上げについて議論させてきた。
今演説でも、値上げの必要性を強調しながらも、国内の広範な議論を呼び掛け、値上げの具体案について指導権を発揮しなかった。大統領はまた、現在の通貨ボリーバル(bf)の3種類ある換算率を「経済が安定するまで維持する」と述べた。
大統領は、昨年2~5月続いた反政府右翼らによるグアリンバ(街頭暴力事件)や、その後の国会議員暗殺事件などを挙げて、野党勢力には政府に平和裏に対抗する施策がない、と批判した。