アンジェイ・ワイダ監督(現在88歳)の「ワレサ 連帯の男」(2013年ポーランド映画、127分)を試写会で観た。素晴らしい作品だ。4月5日から東京・神田神保町の岩波ホールで封切られる。是非観てほしい。お薦めしたい。
この映画は、ポーランドの現代史を変え、ゴルバチョフの開明政策に影響を及ぼした自主労組「連帯」の指導者レフ・
ワレサの闘争の半生を描いている。ちょっと傷を付ければ真っ赤な血が噴き出すような現代の政治状況にワイダは
立ち向かい、見応えのある映画を完成させた。巨匠と呼ばれる所以だろう。
127分が短く感じられた。
翻って日本では、
過去数十年の政治状況を主題にした深みのある映画は全く製作され
ていない。政治状況が全体主義的方向に徐々にのめり込んで行く昨今、
必要なのは、
そんな危険な傾斜に待ったをかける力を持つ芸術でありジャーナリ
ズムなのだ。だが極めて心許ない。【別途、映画評を書いたため、ここでは、これだけに留めたい。】