パナマのイサベル・デサンマロ副大統領兼外相は9月18日キューバを訪問し、来年4月10日パナマで開かれる第7回米州首脳会議にラウール・カストロ国家評議会議長が出席するよう交渉する。
この会議は米州諸国機構(OEA)加盟34カ国の首脳会議。キューバは革命後の1962年、米国の圧力で加盟資格停止となり、以来、OEAとは縁を切ってきた。
09年の第5回米州首脳会議で資格停止処分は解除されたが、OEAを「米国のラ米支配の道具」と見なすキューバは復帰する意思を示していない。
キューバにとっては、米国とカナダの北米両国を除外したラ米・カリブ諸国共同体(CELAC)が重要。ベネスエラの故ウーゴ・チャベス大統領が推進し2011年12月実現したCELACの第2回首脳会議を、キューバは今年1月ハバナで成功裡に開いている。
パナマでは7月、親米右翼の財界人大統領リカルド・マルティネリから中道のフアン=カルロス・バレーラに代わった。バレーラは就任後早い段階で、次回米州首脳会議へのラウール出席を招待していた。
背景には昨年12月のネルソン・マンデーラ元南ア大統領の国葬の場で、バラク・オバーマ米大統領が歩み寄ってラウールと握手した事実がある。また「米州35カ国全首脳が出席する初の首脳会議」を開催したいバレーラの思惑もある。
デサンマロ外相は、キューバの立場を考慮し、巴玖外相会談後の共同声明に「CELACの重要性」を盛り込むことに同意している。