2014年9月16日火曜日

ミゲル・リティンの映画「迷路の中のアジェンデ」が11月公開へ

 チリ人映画監督ミゲル・リティンの最新作「アジェンデ・エン・ス・ラベリント」(迷路の中のアジェンデ)の撮影がほぼ終わり、11月公開される。

 故サルバドール・アジェンデ大統領が、軍事クーデターの発生した1973年9月11日、自殺する前の7時間をどのように過ごしたか、が主題。チレ人俳優ダニエル・ムニョスがアジェンデ役を演じている。

 作品は、完全なドキュメンタリーではなく、事実を基に虚構を加えたドキュドラーマ。

 今年のクーデター41周年記念日の9月11日、例年通りサンティアゴをはじめ各地で旧軍政への抗議行動が展開された。ミチェル・バチェレー大統領は政庁(モネーダ宮)で、チレには暴力も恐怖も入る余地はない、と述べ、過去の恐怖政治を糾弾した。

 大統領は、1978年にピノチェー軍政が制定した「恩赦法」の廃止実現に努める、と述べた。廃止法案は2006年に国会に提出されたが、そのままになっている。これを審議して成立させる方針。

 人道犯罪に時効はない、というのが国際通念になっている。73~78年の間に起きた人道犯罪の責任者を無処罰免罪にする同法の存在に拘らず、これまで犯罪責任者らが裁かれ投獄されてきた。

 だが、悪法が依然廃止されていないのは民主が定着した時代にそぐわない、としてバチェレーは同法廃棄の方針を打ち出した。

 この日、若者や暴徒が暴れ、女性一人が銃弾を受けて死亡、逮捕者、負傷者が出た。