2015年10月19日月曜日

グアテマラ大統領選挙決選まで1週間、必死のSトーレス候補

 グアテマラ大統領選挙(9月6日実施)は10月25日の決選投票で決着がつくが、1週間と迫った18日、劣勢を伝えられるサンドラ・トーレス候補(希望国民連合UNE)は遊説で、当選が確実視されている相手候補ジミー・モラレス(国民結集戦線FCN)との違いを強調した。この国初の女性大統領を目指す。

 トーレスはアルバロ・コロム元大統領(2008~12年)の元夫人で、大統領夫人として政治に関与した。相手のモラレスは喜劇俳優出身で、政治経験はない。体質的に保守で、軍部、富裕層ら旧体制に支配されるとの見方が広く為されている。

 モラレスを皮肉って「グアテマラは喜劇ではない。真の悲劇なのだ」とぶち上げたトーレスは、対立候補に政治経験がないことも指摘した。トーレスは「国が必要としている団結と平和のメンサヘ(メッセージ)を発するため投票しよう。団結は力だ。貧者の力を示そう」と群衆に呼び掛けた。

 コロム政権が設立し、後継のペレス=モリーナ前政権が廃止した「連帯資金」など貧困対策の復活を約束している。トーレスは、経済面の経験不足を補うため、実業家マリオ・レアルを副大統領候補にしている。また、一日平均16人が殺される極悪の治安の対策として、国軍の治安出動を維持する方針だ。

 一方モラレスは、大規模な税関汚職事件の主犯として9月初め政権を追われたペレスモリーナ前大統領の腐敗追及で支持率を挙げてきた。見識不足を攻撃されていることもあって、副大統領候補に国立サンカルロス大学(USAC)の元学長ハフェス・カブレラを据えている。

 有権者は754万人。当選者は来年1月14日、政権に就く。任期は4年。