2015年10月14日水曜日

ブラジル最高裁が大統領弾劾裁判申請を不可とする

 ブラジル最高裁は10月13日、大統領弾劾裁判開始には下院定数の5分の3の賛成による発議が不可欠だとして、この条件を満たさない野党議員らによる一連の弾劾裁判申請を不可とした。

 一方、下院のエドゥアルド・クーニャ議長も同日、野党議員らから出されていた申請のうち審査済みの5件を却下した。これで却下された同様の申請は11件となった。だが依然、3通りの弾劾裁判申請が残っている。

 ヂウマ・ルセフ大統領は、財政均衡化のための赤字削減操作や、昨年の大統領選挙時の選挙資金の出所をめぐって疑惑がもたれている。これで勢いづいた野党は、相次いで弾劾裁判を求めて動き出した。

 この日サンパウロで開かれた労連会合でルセフは、「野党はクーデター(弾劾)で政権を奪取しようと画策している」と糾弾した。ルセフの指南役であるルーラ前大統領も同じ会合で、野党は選挙での敗北に従うべきだと述べ、ルーラ、ルセフ2代連続4期続く労働者党(PT)政権を選挙で倒せない野党勢力を批判した。

 ラ米では、新自由主義派財界、保守・右翼勢力、マスメディアなどが国境を越えて連携し、選挙で選ばれた改革政権や進歩主義政権を打倒しようと狙う陰謀が渦巻いている。その中心はマイアミにあり、日本の一部<ネット右翼>とも繋がっている。

 セラヤ・オンドゥーラス政権、ルーゴ・パラグアイ政権が倒され、ボリビア、エクアドール、ベネスエラ、そしてブラジルの合法政権が揺さぶりをかけられてきた。